遺言・相続業務について
1 相続問題とは
民法上、「相続は、死亡によって開始する」とされており(民法882条)、相続の効力としては「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」と規定されています(民法896条1項)。
相続によって相続人に承継されるのはプラスの財産はもちろん、債務等のマイナスの財産も含まれます。
プラスの財産については相続による承継なんて全く期待していないという方ばかりであればそうそう争いは起こらないのかもしれません。
しかし、現実に相続開始となれば、もらえるのであればプラスの財産はもらいたいと思うのが人情ですし、期待していなかったという方でも他の兄弟等が自分と比較して随分多くの財産をもらっているとなれば、なんだかおかしいなどと思うものです。
従前は仲良かった兄弟が相続開始以降は裁判をして争うという事例も珍しくはありません。
あいつは思えば親の生前から不公平なくらいに利益を受けていた、親の財産を狙っていたといって争うこともあります。
逆に、マイナスの財産については出来れば承継したくありません。
そんなところから、相続問題が発生していきます。
そして、いざ相続問題が発生してしまうと感情の問題もあり、なかなか当事者同士の話し合いによる円満な解決は難しいこともあります。
そのような場合にこそ、相続問題について専門的知識を有し、また、そのような交渉についても経験を有している弁護士がお役に立てる時です。
2 遺言について
いざ相続問題が発生すると、任意の話し合いでは解決できず、調停、審判あるいは裁判となり相続人間で徹底的に争うことも珍しいことではありません。
そのような姿を見ると、もしそのことを亡くなった被相続人が知ったら悲しむだろうなと思われることも多々あります。
しかし、同時に、被相続人が生前にきちんと遺言書を作成しておいたらこんな争いにはならなかったのにと思うこともよくあります。
将来の相続問題を防止するには遺言は非常に重要な手段であるのですが、なかなか一般の方には十分には浸透していないと感じることがあります。
もっとも、遺言書もただ作成すればいいというものではなく、相続に関するきちんとした知識がないままに作成してしまえば、かえって相続問題を激化させてしまう可能性すらあります。
そこで、将来の相続問題の発生を防止するために専門的知識を有する弁護士がお役に立てることになります。
3 弁護士に依頼するメリット
- 相続開始前であれば、専門的知識を前提としたアドバイスにより適切な遺言書作成により将来の相続問題発生を防止することが可能です。
- 相続問題発生後であれば、専門的知識をもとに遺産分割についての適切な内容を的確に判断することが可能です。
- 弁護士であれば、任意交渉による遺産分割協議書作成の段階から、遺産分割調停、審判を通して代理人として相手方と交渉することが可能です。
このことにより、感情的なもつれから当事者同士ではうまく交渉の成り立たない事案であっても適切な解決を図ることが可能です。
4 出張相談について
遺言、相続の事案においてはどうしても高齢の方の相談も多く、法律事務所まで赴いて相談をすることが困難あるいは億劫ということも多々あります。
そこで、事務所からの遠方、近隣を問わず、出張相談も受け付けておりますので、積極的にご相談下さい。